「個人再生」|手続きの必要書類まとめ

私は2019年12月末に個人再生(小規模)の再生計画認可決定が裁判所より通知されました。

これにより翌年1月から返済を始め、現在は丁度半分を返し終えたところです。

当時の私は、借金問題に苦しみながら未来に絶望していました。

そのようなときに、偶然あるサイトで借金問題は法律事務所に行けば相談できることを知り、近くの法律事務所の門を叩きました。

今思えば、私のその決断が人生の大きな転機につながったことを確信しています。

個人再生は、裁判所を利用した手続きです。

当然、手続き自体はかなり複雑なものとなり、それに必要な書類も様々です

ポイント

  • 債務を履行し完結する能力の有無」を確認するために、収入等がわかる書類
  • 債務者の資産の有無」を確認するための書類
  • それ以外に裁判所や再生委員に求められる書類

個人再生とは、借金の元金を大幅に減額する手続きになります。
そのために、裁判所は様々な書類の提出を求めるのです。
書類に不備があると、手続きに支障を来すことは言うまでもありません。

個人再生を行うには、書類を揃えるための準備が大変で、期間1~2年かかると言われています。

私の場合も、自分で揃える書類を提出し終えるまでに多くの時間を要しました。
裁判所から、再生計画認可決定がおりるまでには13ヶ月かかりました。

そのような私の経験を踏まえて、今回は、「どのような書類を集める必要があるのか」を中心に、記事をまとめました。

あなたにとって、この記事が少しでもお役に立つ内容であれば、この上もない幸せです。

<参考>「個人再生手続き」の実践|体験に基づく完全ガイド

目次

個人再生の必要書類はどれくらいあるか|その内容とは?

個人再生を申し立てる際には、申立書をはじめとするたくさんの書類に記入したり、添付する書類を用意したりしなければいけません。

書類には、裁判所から取り寄せる書類と、自分で取り寄せる書類があります。
まずそれらの内容を見ることにしましょう。

申立るときに裁判所から取り寄せる書類

次の書類は、全て申立てるタイミングで裁判所に提出します。

手続きを専門家(弁護士・司法書士)にお願いすると、書類の受け取りと提出の他、書類作成上の様々な作業を代行してもらえます。

また、申立人が記述して作成しなければならない、すべての書類において適切なアドヴァイスをしてもらえます。

  • 申立書
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 家計表
  • 財産目録

申立書

申立書とは、再生手続きの開始を申し立てるもので、申立人本人の情報を記載して提出する書類のことです。

申立人の住所や氏名、生年月日、連絡先、また代理人(弁護士等)の名前、月々の予定返済額などについても記載します。

陳述書

陳述書には、申立人の職業や収入状況の詳細、家族関係と家族の月収、住居の状況などを記載します。

職業については、過去5年以内のすべての職歴を記載しなければなりません。

また、個人再生の申立てをするに至った経緯について、具体的な事情についても詳しく記載をする必要があります。

債権者一覧表

債権者一覧表は、借入先の詳細を記載する書類です。債権者の名前(会社名)、住所、借入金額、借入期間などを記載します。

漏れがないか、しっかりと確認しましょう。

家計表

家計表は、申立人の家計の収支について詳しく記入する書類です。
〈資料〉家計表

給与や自営収入、年金などの収入はもちろん、家賃や住宅ローン、駐車場代、食費、電気・ガス・水道などの光熱費、日用品代など、家計の状況をかなり詳細に記載しなければなりません。

財産目録

財産目録は、申立人の財産について詳しく記載する書類です。裁判所は財産から評価額を算出し、個人再生を認可するかどうかの判断材料として使います。

財産目録には、現金や預貯金、過払い金のほか、生命保険の解約返戻金、自動車、不動産、退職金などを記載します。

自分で揃える書類

次に、自分で取り寄せる書類を一覧表にしました。
この資料は、私がお願いした法律事務所から実際に受け取ったものです。

担当の弁護士の先生から、表の中で私に該当する内容を選び出してもらい、アドヴァイスを受けながら粛々と資料集めをしました。

ですから、◯や△の資料は、申立人の状況によって異なると考えて下さい。

また、「要作成」と記載してある書類の多くは、専門家(弁護士・司法書士)の事務所が、代行してくれる場合又は、アドヴァイスをもらえる場合が多いでしょう。

  • 次に記載されている資料は、あくまで標準的なものであり、個別に追加を求める資料もある
  • 同居人とは同一家計の者をいう(当該者の収入が家計表に反映されている場合)
  • 官公庁が発行する証明書類等(勤務先として発行されるものを除く。)については、申立日直近(3か月以内)の発行日のものとし、必ず原本を提出する
  • ◎(必ず提出するもの)、○(該当する場合には提出するもの)、△(事案により提出を要するもの)
提出書類本人同居人入手先備考
1 人定関係等
(本人に相違ないかを確認する資料)
住民票の写し
(外国人の場合は外国人登録原票記載事項証明書)
市町村役場3か月以内発行で,世帯全員が登載されているもの(本籍地あり)
債権者宛ての宛先記載の封筒またはタックシール 要作成封筒は,無地又は裁判所作成の封筒
通知先一覧表 要作成 
委任状 要作成 
2 収入関係
(1)給与所得がある場合
給与明細書勤務先家計表に該当する月を含む3か月分
市町村・県民税(所得・課税証明書)及び源泉徴収票 市町村役場・勤務先各2年分。
小規模個人再生の場合はいずれか一方の書類を2年分で可
(2)事業所得がある場合
事業収支実績表要作成原則として,申立前直近6か月分
市町村・県民税(所得・課税証明書)または確定申告書控え市町村役場・本人保管申立人は2年分,同居人は1年分
帳簿等本人保管 
(3)児童手当や年金等を受給している場合
証明書または通知書本人保管児童手当,児童扶養手当,老齢年金など
(4)給与所得者等再生の場合
可処分所得算出シート 要作成 
3 その他財産関係
預金通帳 本人保管①申立て前1年間の記帳内容を確認の上,表紙,ロ座番号・取扱支店名,ロ座名義人の記載のあるページ,最終ページのコピー。
②申立て前2週間以内に記帳し,最終ページ余白に記帳日を付記。
③残高「0」でも提出。
④定期預金,貯蓄預金,積立預金についてもコピーを提出
過払金に関する和解書,計算書等 本人保管・要作成 
貸金,求償金,売掛金等に関する契約書,台帳等本人保管 
退職金見込証明書または就業規則・退職支給規定(算定過程を示した言算書を添付) 勤務先勤続5年未満やパートの場合は不要退職金制度がないときは,その旨の証明書を添付
保険証券(表裏両面) 保険会社等 
解約返戻金証明書 保険会社等 
受領した返戻金を明らかにする書類 保険会社等過去1年間に解約・失効した場合
車検証または登録事項証明書本人保管 
車両の時価が分かる書類 自動車業者等以下の場合に提出
①初年度登録から5年以内の国産車
②外国車
③排気量2500CCクラス以上の国産車
賃貸借契約書等
(本手続後も居住を続ける自宅分を除く。)
 本人保管店舗、作業場、駐車場など、申立人名義で借している土地・建物に関して差し入れている敷金の返還請求権が分かるもの
事業用動産の売却価格見積書等(確定申告書の別表でも可) 本人保管・要作成申立人が事業所得者(会社員等との兼業を含む。)である場合,その所有する事業用動産(事業設備,在庫商品,什器備品等)の現在額が分かるもの
事業用以外の動産の売却価額見積書等 本人保管・要作成立人所の動のうち,現額が10万円を超えるものについて,現在額が分かるもの
有価証券に関する資料 証券会社等手形,小切手,,ゴルフ会員などの価証券の種類や現在額が分かるもの
その他の財産に関する資料 本人保管・要作成査定が必要まのについては現土額が10万円を超える場合のみ現在額が分かるもの。金額が明らかな場合には10万円以下でも添付
事業等に関する補充説明書 要作成事業所得者若しくは法人代表者,又は、以前はそうであったが申立前3年以内に廃業若しくは辞任した場合に作成し添付
4 住宅関係
(1)申立人が不動産を所有していない場合
無資産証明書 市町村役場1年以内に一居している場合は,前住所地の市区町村役場のものも添付
賃貸借契約書本人保管賃借人が同居人でなくても提出
居住しているところが賃貸借契約以外の場合,不動産登記事項証明書 法務局親族所有物件について使用貸借により居住している場合など
(2)申立人が不動産を所有している場合
  ① 住宅資金特別条項を利用しない場合
不動産登記事項証明書 法務局相続登記未了又は遺産分割未了の相続財産を含む
固定資産評価証明書その他評価書など時価が分かる書類 市町村役場等 
②住宅資金特別条項を利用する場合
不産登記事項証明書又は登記簿謄本 法務局 
固定資産評価証明書その他評価書など時価が分かる書類 市町村役場 
住宅ローン契約書,変更契約書 本人保管 
保証委託契約書 本人保管住宅ローン債務につき保証会社が保証している場合
住宅のうち専ら再生債務者の居住の用に供されている部分及びその床面積が明らかになる書類 要作成 
保証債務の全部を履行した日を明らかにする書類 保証会社等 
期限の利益を喪失していない旨の証明書 銀行等滞納している住宅ローンが多額であるにも関わらず,支払継続許可の申立てを行う場合
償還予定表 本人保管 
変更シミュレーション表または認可後の住宅ローン月額が分かる書類 銀行等199条2乃至4項に定める条項を定める場合
5 その他
小規模個人・給与所得者等再生手続開始申立書作成に関する説明書 要作成 

書類提出のタイミングについて

書類を提出するタイミングは、大まかに申立て時と申立て後に分けられます。

それでは、私を担当してくださった弁護士の先生から示されたスケジュールに沿って、提出のタイミングごとに必要な書類を見ていきましょう。

個人再生スケジュール概要

申立時で必要な書類

私のケースですが、法律事務所で個人再生手続きに関する契約をすると、認可決定までの全体的な流れが説明されました。

次に、私の状況をヒアリングしていただき、私が作成しなければならない書類や、集めなければならない書類を、具体的に指示していただきました。

予定では、①書類説明の時期から約2ヶ月で、申立③を行う準備をするという目標で、書類を整えていくことになったのです。

書類説明①から申立③を行う間に、資料集めの進捗状態を確認②していただき、必要なアドバイスを頂くために事務所に出向きましたが、それ以外の諸連絡(事務所からの連絡及び私の問い合わせ)は、全てメールで行いました。

申立時に必要な書類一覧

書類の概要書類名入手先
申立てをする申立書裁判所
経緯などを説明する陳述書裁判所
所有する財産を記入する財産目録裁判所
申立人を証明する・住民票
・戸籍謄本
役所
財産を証明する・給与明細書
・退職金見込額証明書
・所得課税証明書
・通帳のコピー など
勤務先や役所から入手。通帳を紛失した場合は、金融機関に問い合わせを
家計を証明する家計収支表(家計表)裁判所
借金に関する書類債権者一覧表裁判所
住宅ローン特則を利用する場合に必要な書類・住宅資金貸付契約の書面のコピー
・住宅資金貸付契約における弁済の時期及び金額の書面
・登記事項証明書
登記事項証明書は法務局で入手

申立後、開始決定~認可決定までの間に提出する必要書類

申立から約1ヶ月後、個人再生手続き開始後に必要な書類

開始決定④すると、すぐに提出する書類に財産状況等報告書があります

時期の目安は申立ての約1ヶ月後です。

所有財産に追加がある場合は、申立時に用意した財産目録と同じように記入します。

特に追加がなければ「財産目録に記載した通り」にチェックをします。

申立から1〜2ヶ月後、債権額の確定時に必要な書類

個人再生の申立てから1~2ヶ月後に提出する書類は以下の2種類です。

  • 債権認否一覧表
    債権者(借入先)が届け出た債権額に異議がある場合は、認めない旨を記載します。
  • 異議書
    異議のある債権者の氏名や異議の内容をまとめます。

申立から3〜4ヶ月後、個人再生認可・不認可の判断に必要な書類

申立てから3~4ヶ月後の指定日までに提出しなければいけないのが「再生計画案」という書類です。

再生計画案とは、個人再生後の返済額や返済期間を記した計画書のことで、個人再生の認可・不認可の判断に用いられる大切な書類です。

再生計画案を作成するには、最低弁済額を算出し、原則3年で返済する計画を立てる必要があります。

申立後に必要な書類一覧

書類名提出タイミング入手先
財産状況等報告書個人再生手続き開始後裁判所
債権認否一覧表個人再生手続きの開始決定から約6週間後裁判所
異議書個人再生手続きの開始決定から約6週間後裁判所
再生計画案申立てから3~4ヶ月後の指定日裁判所
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