借金の返済|コツをつかんで計画的に

目次

借金と家計の状況を「把握」する

何かの物事を達成したいと考えた時、先ず自分の弱点や課題などの現状を正確に把握し、到達目標を確認するはずです。そうすれば、その目標となる物事を達成するために「何をすればいいのか」が自ずと見えてくるものです。

これは、借金問題についても同じことが言えるのです。

到達目標が「一日でも早く返す」であるならば、先ずもって「何をすればいいのか」を考えると、全ての負債がどのくらいあるのかを把握すること、それが大切であることは当然のことです。

1.負債状況の把握

借金を早く返すために、次の手順で借金の現状を把握します。

1.債権者(人や会社)を一覧表にする。
2.債権者ごとに

①いつまでに
②いくらずつ返済して
③総額でいくら返すのか

これらを全て正確に書き出します。

1.債権者(人や会社)を一覧表にする。

債権者がわかっていれば、返済予定表や金融機関のWebサイトの会員専用ページで確認してみるか、直接電話で問い合わせます。

もし、借入先を忘れてしまった場合は、次の方法で、借入先を調べることができる場合があります。

・信用情報機関から信用情報の開示を受ける(手数料がかかる)

・借金の契約書や領収証、通帳、振り込み明細書、カードなどを調べる

2.債権者ごとに①いつまでに②いくらずつ返済して③総額でいくら返すのか。

1.利息計算の必要性

ここで大切なのは、借金に対する利息計算です。

通常借金した場合、借りたお金と同額を返せば返済が終わるというわけではありません。

約束どおりに返済する場合でも、金融機関から借りると利息が発生します。

また、約束した期日に返済できなければ遅延損害金が発生します。

利息の一般的な計算方法は、以下のとおりです。

借入残高×金利(実質年率)÷ 365×利用日数=利息

<例> 
借金100万円を年率15%で借りた場合の1か月分の利息
100万円×15%(0.15)÷365×30日=約12,328円

この計算より
元金を減らすには、12,328円よりも多く返済しなければならない
ことが分ります。

2.家計の現状を把握

借金を早く返すためには、返済に充てるお金が多ければ多いほど完済までの道程が短縮されます。

借金を早く返せないのは、返済に充てることができるお金が十分に確保できていないことに原因があるため、借金の現状を把握すると同時に、家計の現状を把握しましょう。

一般的に、収入から借金の返済以外の支出を差し引いた金額が、借金の返済に充てられるお金となります。

そのために詳細な家計表を毎月作ることをお勧めします。内容は以下のとおりです。

・収入の部
給与・公的手当て・援助・その他

・支出の部
水道光熱費・通信費・新聞代・NHK・保険料・駐車場代・ガソリン代・医療費・教育費・交通費・被服費・雑費(日用品費)・交際費・嗜好品(タバコ、お酒等)・税金・年金・健康保険・仕送り・養育費・その他

参考資料として、私が個人再生手続きを行ったときに、弁護士から頂いた家計表の雛形を御覧ください。
<参考資料> 家計表の雛形

無理なく実行可能な返済プランを「計画」する

借金を早く返すための計画を立てるコツは、非常にシンプルです。選択肢は限られていて、具体的には以下の4通りの方法しかありません。
この4つの点について詳しく解説します。

1.節約で支出を減らす
2.収入を増大させる
3.利息の支払い額を減らす
4.債務整理を検討する

1.節約で支出を減らす

支出を削減するためには、日々の積み重ねこそが大切です。

家計表を作成して、毎月の支出状況を確認し、どこか削れるところがないかをしっかりと考えてみましょう。

<例>
・タバコやお酒の量を減らすと同時に、健康志向を実践する。
 毎月1万5,000円⇒5,000円

・自動販売機で飲み物を買わずに、水筒を持っていく。
 毎月3,000円⇒500円(お白湯を入れるとほぼ0円)
  ※1日に削れる支出は100円程度に過ぎないが、1ヶ月では約3,000円も削ることができる。

・固定費を下げる努力をおこなう。
  ※家賃が安いところに引っ越す・各種保険料金を見直す・携帯料金のプランを見直す又は安い会社に乗り換えるなど。

借金の返済期間中は、なるべく生活に必要でない支出(遊興費など)を削って返済に充てましょう。

2.収入を増大させる

収入の柱を増やすことで、生活に経済的なゆとりが生まれます。

既に倹約した生活を送っていて、それ以上に支出を削ることが出来ないのであれば、収入を増やせないかどうかを考えてみましょう。

<例>
・会社で副業が許可されていれば、ダブルワーク(副業)をする。
※とは言え、一番実現しにくい方法でもあります。そんなに簡単に収入を増やせるなら、そもそも借金をする必要など無かったわけです。しかし中には、副業などで収入を増やして、楽に借金返済ができた人もいますから、頑張る価値はあると思います。

・サービス残業が多く、ダブルワークをできないのであれば、思い切って転職を考える。
※転職する場合には、収入や支出の見込みなどについて慎重に判断することが大切です。退職することにより退職金が支給されるのであれば、退職金を返済金に充てることもできます。

・手元に大きな金額が入ったときは、必ず完済や繰り上げ返済をする。
※臨時収入があるなど、手元に大きな金額が入った場合は、完済できる借入先を優先的に選んで、借入先を減らします。完済できる借入先がない場合や臨時収入が余った場合は、金利が高い借入先を選び、繰り上げ返済をします。

このようにすることにより、元金を減らすことができるので、その後の返済が楽になります。

3.利息の支払い額を減らす

利息が多ければ多いほど、返済期間はそれに伴い長くなります。

たとえば、次の2つのケースを想定してみましょう。

①100万円を年利10%で借りた場合
 利息:10万円/年 約8400円/月

②100万円を年利15%で借りた場合
 利息:15万円/年 約1万2,500円/月

年利10%で借りれば利息は10万円、年利15%で借りれば利息は15万円になり、債権者が得る月の利息は、それぞれ約8,400円と約1万2,500円になります。

その結果、毎月定額返済した場合は、年利が高ければ高いほど元金に当てられる金額が減るために、返済期間が長くなり支払総額も増えてしまいます。

お金を借りるときにはなるべく金利の低いところで借りましょう。
既に金利の高いところで借りているなら、借り換え「おまとめローン」を組む方法があります。

借り換えとは
今借りている業者より低金利の業者から借り入れし、そのお金で今借りている業者の借金を完済すること。

「おまとめローン」とは
複数の業者からの借金を借り換えによって一本化できるローン商品。
返済先を1社にまとめることで、返済の管理が楽になる。

借り換えや「おまとめローン」を利用する場合には、利率や返済総額を十分に検討しましょう。

4  「おまとめローン」のメリット・デメリット         

「おまとめローン」のメリット

・借金の管理が楽になる

借入先が複数あると、どこからいくら借りているのか、いつまでにいくら返済しなければいけないのかを管理することに対して手間がかかります。

そこで借入れを一本化すれば、借入れ全体の状況把握が容易になり、返済計画を立てやすくなります。

また、複数あった返済額を1つにすることで、月々の返済額を減らラスことも可能になります。

・金利が下がる場合がある

現在の借入金利より低金利の借入先から「おまとめローン」を組めば、支払う利息分を少なくすることができます。

ローンとは借入金額が大きいほど金利が下がる傾向がありますので、まとめることで金利が低くなる可能性があります。

「おまとめローン」のデメリット

・金利が下がらない場合もある

「おまとめローン」で金利が下がるのは、元の借入金利と新しい借入金利のあいだに金利差がある場合です。

新しい借入先の条件によっては、金利が上がってしまうケースもあります。

・返済総額が多くなる可能性がある

「おまとめローン」で借入先が1つになると、月々の返済額を減らすことができる一方、月々の返済額を低く設定しすぎると返済が長引き、その分だけ利息の支払いが増えてしまいます。

その結果、返済総額が多くなる場合もあり得ます。

4.債務整理を検討する

いくら家計を切り詰めても自力での返済が重く厳しく、どうしても完済の目途が立たない場合には、「債務整理」も方法として検討したほうがよいでしょう。

「債務整理」とは、弁護士や司法書士などの専門家に依頼し、現在抱える借金を減額や免除などで整理するための手続です。

債務整理なら借金そのものを合法的に減額することができるため、借金問題を「根本」から解決できます。
借金問題で悩む方にとっての、「救済方法」ともいえる方法です。

債務整理には、大きく分けて任意整理・個人再生・自己破産の3つの方法があります。

どれを選択するかは、債務者それぞれの事情によるため、専門家と相談しながら選ぶようにするべきでしょう。

<参考資料>
債務整理を成功させる|断言:専門家の協力無しでは不可能!

それぞれの債務整理の方法や手続き等は、別の記事で詳しく説明していますので是非そちらをご覧ください。

1.任意整理
2.個人再生
3.自己破産

借金の返し方で絶対にやってはいけない方法

借金返済では主に3つ、やってはいけないことがあります。
それでは一つずつ見ていきましょう。

1.闇金からお金を借りる

どれだけ資金調達に苦しんでいても闇金からお金を借りるのは避けましょう。

「闇金からお金を借りるつもりは一切ないから自分には関係ない」と考える人もいるでしょう。
しかし、ほとんどの闇金業者は自らが闇金業者であることを公表していません。

一般的な貸金業者に寄せた社名を掲げ、ホームページの内容も充実させて債務者の勘違いを誘発させようと目論む闇金業者も存在します。

闇金業者は、「審査なし・即日融資」などと、借金せざるを得ない事情がある人にとって救いに感じられるような宣伝によって生活困窮者を誘き出そうとします。

一度闇金から借金してしまえば、法外な金利を課され、そのうえ精神的な圧迫をかけられて返済せざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。

貸金業者からお金を借りる際は、金融庁が運営する登録貸金業者情報検索サービスなどを利用して、登録を受けている健全な貸金業者であるか必ず確認しましょう。

2.月々の返済額を他社から借りて返すこと。

月々の返済が苦しいからといって、別の会社から借りることを繰り返すと利息が増え、返済総額が増えていくという悪循環に陥ります。

特にクレジットカードを現金化する方法で返済に当てることがあります。

これは、購入商品の代金をカード会社に立て替えてもらい、後に分割返済する「ショッピング枠」を利用して現金を調達することです。

ショッピング枠が限度額に達していなければ、審査が必要な借金よりも手軽にまとまったお金を手に入れられるのがメリットとですが、これには大きな落とし穴があります。

金融機関からの借金には、基本的に利息が発生することを忘れてはいけません。

他人の資本をあてにしているうちは、支払総額を少なくして借金を完済することは難しいと言えるでしょう。

3.月々のご返済額を低く設定しすぎること。

返済額が低すぎると、なかなか元金が減っていきません。

そのため、返済期間が長くなり利子が増え、結果的に返済総額が膨れ上がることに繋がります。

まとまった金額を借りたときには、その返済は長い時間をかけてコツコツ払っていくしかありません。
一発逆転は、まずないということを自覚しておきましょう。

また、借金をするときには返済方法を間違わないようにしなければ、毎月払っているのになかなか減らないという悪循環に陥ることになります。

記事を読んでくださったあなたが、一日も早く借金の悩みから解放されることを願って止みません。

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