債務整理における弁護士と司法書士の違い

債務整理の手続きは、債務者自身が行うことは可能ですが、その内容は専門的で難解・複雑です。
債務整理には、たくさんの書類が必要となるだけでなく、債権額の調査や、再生計画案の作成などをする必要があります。
そのために、専門知識のない個人が手続きを行うことは非常に難しいと言わざるを得ません。

弁護士や司法書士に相談するメリットとしては・・・

  • ・依頼した時点で、債権者に「委任通知」が送られるため、請求・取り立てが止まる。
  • ・複雑な書類の準備や裁判所・債権者とのやり取りも代行またはサポートしてもらえる。
  • ・相談の過程で、どの債務整理の方法が自分に適しているかの助言を受け、アドバイスをしてもらえる等。

ですから、債務整理の手続きには弁護士や司法書士などの専門家へ依頼することが一般的です。
しかしながら、弁護士と司法書士のどちらに依頼するべきなのか判断するのは難しいことですね。

私自身も、かつて1300万円を超える多額の借金を抱え、将来に絶望していた人間でした。
私の人生の転機になったのは、偶然あるサイトで借金問題は法律事務所に行けば相談できることを知り、近くにあった法律事務所を訪れたことでした。

「個人再生」という言葉を知ったのも、そのときでした。

私がお世話になった法律事務所の弁護士の先生と事務所のスタッフの方は、とても親身になって対応してくださり、わかりやすく指導してくださいました。

その指導内容に沿って必要な資料を集めたり、生活上の注意点などを忠実に守ったりすることによって、およそ1年の準備期間を経て再生計画認可決定を頂くことができました。

あなたがもし、借金の問題で苦しんでいらっしゃるのなら、迷わず勇気を持って専門家(弁護士や司法書士)に相談することをお勧めします。

私がそうであったように、借金の苦しみから開放されて、人生に新たな意味を見いだせるようになっていただきたいと心から願いながら、私はこのブログを書き続けています。

そこで今回の記事では、債務整理を専門家に依頼する場合、弁護士と司法書士にどのような違いがあるのかを説明いたします。

この記事が、あなたにとって少しでも参考にしていただければ大変嬉しく思います。

<参考> 債務整理を成功させる|断言:専門家の協力無しでは不可能!

目次

弁護士と司法書士|それぞれの特徴と依頼するメリット&デメリット

借金問題を解決する方法として債務整理を検討しているものの、弁護士と司法書士のどちらに相談すればよいか判断が難しいと思います。

弁護士も司法書士も国家資格で似ているようですが、債務整理については行える業務内容が違ってきます。

ここでは、弁護士と司法書士の違いについて解説していきます。

それぞれの業務内容について

弁護士とは

弁護士は原則法科大学院を卒業、司法試験合格、司法研修所での研修、司法修習生考試合格を経て、弁護士会に登録されて得られる資格です。

弁護士は身の周りで起きるトラブルや事件についてアドバイスをしたり、代理人として相手と交渉を行うなど、法律全般の相談に乗ってくれます。

債務整理においては、法律相談や、代理人として貸金業者との交渉や訴訟を行うことができます。

弁護士で対応できる業務の範囲

弁護士は本人の「代理人」となり、個人再生の申立てをします。
弁護士が代理人になるという意味は、弁護士の名前で申立てができるということです。

司法書士(認定司法書士)とは

一方、代理業務ができる認定司法書士は司法書士試験に合格し、新人研修及び100時間の特別研修を受け、簡裁訴訟代理等能力検定考査合格を経て、司法書士会に登録されて得られる資格です。

以前は、弁護士は裁判業務、司法書士は登記及び裁判書面作成業務との役割分担がありました。

2002年4月司法書士法が改正になり、認定司法書士の資格を得ることにより、債務整理については、個人の借金や過払い金の額が140万円以下の場合に限って、法律相談、代理人として貸金業者との交渉、訴訟ができるようになりました。

司法書士で対応できる業務の範囲

司法書士は書類作成代理人」として個人再生の申立書を作成しますが、書類作成以外何もしないわけではなく、手続が完了するまでサポートを行っています。
具体的には、裁判所とのやり取り、補正指示への対応、返済の管理などです。

それぞれに依頼するメリット&デメリット

弁護士

  • あらゆる債務整理で債務者本人が債権者と交渉等のやり取りをする必要がなくなる
  • あらゆる債務整理で過払い金があるかの調査をしてもらえる
  • 地方裁判所で債務者の代理人としてすべての手続を代行することができる
  • 借金の返済、催促を一時的に止めることができる
  • 書類の準備・作成を代行してもらえる

    弁護士であれば、借金の金額が140万円を超えていても超えていなくても、問題なく交渉権限や訴訟代理権限を持っています。
    これに対し、認定司法書士の場合は、借金の金額が140万円以下の場合しか交渉権限や訴訟代理権限を持っておらず、借金の金額が140万円を超えている場合(※)には代理人になることができません。
    また、訴訟代理権は簡易裁判所における事件についてしか認められません。

司法書士(認定司法書士)

  • 借金の返済、催促を一時的に止めることができる(弁護士も同様)
  • 書類の準備・作成を代行してもらえる(弁護士も同様)
  • 過払い金があるかの調査をしてもらえる(弁護士も同様)
  • 弁護士に比べて依頼費用が安い

司法書士ならではのメリットとしては、弁護士に比べて依頼費用が安い傾向にあることが挙げられます。

司法書士の方が依頼費用が安くなる理由として考えられるのは、司法書士は弁護士に比べると対応可能な業務が限定的であるため、低めの料金設定をしているのではないかということです。

それぞれの対応内容一覧

債務整理の種類弁護士司法書士
任意整理すべてに対応可能債権者1社につき140万円以内の場合に対応可能
個人再生すべてに対応可能提出書類作成に対応可能
自己破産すべてに対応可能提出書類作成に対応可能

弁護士と司法書士|依頼費用(あくまでも目安)

債務整理の種類弁護士司法書士
任意整理5万円程度(債権者1社につき)3〜5万円程度(債権者1社につき)
個人再生50万円~60万円程度30万円〜50万円程度
自己破産50万円程度20万円〜40万円程度

まとめ

このように比較をしていけば、あなたは債務整理を依頼するには、司法書士ではなく弁護士の方が良いと考えるかもしれません。
しかし実際には、司法書士に依頼しても支障がないケースも多いと言われます。

つまり、債務総額が140万円を超えていても、1社からの借金が140万円を超えていなければ、訴額によって司法書士の業務が制限されることは無いからです。

原則として、訴額は1社に対する借金の元本から算出されます。

例えば、A社から50万円、B社から80万円、C社から30万円借金している場合、債務総額は160万円です。
これらのケースでは、認定司法書士は債務者の代理人となり手続きを行うことができます。

また、個人再生や自己破産の場合、司法書士ができるのは書類作成の代行に制限されると説明しましたが、それ以外のサポートを受けられないわけではありません。
手続きが終了するまで、債権者や裁判所とのやりとり等を中心に、様々な場面でサポートを行う司法書士が多いようです。

ただし、個人再生や自己破産の代理人にはなれないため、債務者本人が裁判に出廷する必要があります。

なお、訴額が140万円以下であっても、手続きの代理人となれるのは法務大臣の認可を受けた認定司法書士のみとなります。その点を注意しましょう。

今回、弁護士と司法書士の特徴を説明しましたが、ご自身のケースに当てはめてみて、実際に債務整理を行うとすれば、どちらの専門家に任せてらいいのかを考えて下さい。

<参考> 債務整理を成功させる|断言:専門家の協力無しでは不可能!

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